『にんにく物語 その5』 畑 正憲

ガロハ~!!

こんにちは。ガーリックのプロフェッショナル、ガリプロです!!

弊社代表光本とかねてより親交のあるムツゴロウさんこと畑正憲先生に、「にんにく物語」と題して、にんにくのコラムを書いていただきました。

これまで世界中を旅してこられた先生のユーモアたっぷりのお話しをブログでもご紹介していきたいと思います。

「これは、体にいいんですよ」と、食べ物をすすめられることがある。

そんな時、私はムッとする。私が食べたいのは、美味しいものだ、と叫びたくなる。

そもそも私たちが口にする食材は、すべて生きものに由来しているのである。命をつむいでいたものだから、どれを食べても、〝体にいい〟はずではないか。

われらのニンニクは、どうだろうか。
インターネットなどで調べてみると、栄養の分析表がすぐ検索出来て、それを見ると、ビタミンB群が豊富で、B1、B2、B3、B5、B6、B9と、揃っている。ビタミンCも、もちろん含まれているし、食物繊維も、カルシウムや鉄分、亜鉛やリンだって含まれている。ニンニクさえ食べていれば、下手なサプリメントなんか必要ないと思えるほどだ。

しかし、話はそう簡単ではない。

体に有効な成分が、その食品百グラム当たりAmg含まれていたとする。それで突きとめられれば、そのAmgを百倍にも二百倍にもすれば、顕著な薬効として役に立つ。

二次大戦後の、薬の分野での革命は、何と言っても抗生物質の発見であり、ペニシリンが果した役割は非常に大きい。

オーストラリアのアボリジニは、ある場所の土が薬効があることを知っていて、病気になると、そこの土を食べたという。その土の中にこそ、抗生物質を産するカビが在るのだと説いてある本もあった。

あのワクスマンでさえ、土からヒントを得た。実験に使う使用済みの病原菌を、土中に埋めていたのだが、ある日、その病原菌がどうなるのか、死んでいるのか、と考えたことがきっかけになった。

人が、まだ見つけていない薬、それは不老長寿の薬である。ある錠剤を一日に二粒服用すると、老いのスピードがぐんと鈍化するなら、これは人類の福音だろう。

老化を防止する薬はないか。

まず、地球上のいろいろな民族、町や村の平均寿命が調べられた。やけに長生きをするものが多い村がある。そこの食べ物を調べてみると、ヨーグルトがピックアップされた。次に、常に食べられているものとして、ニンニクが浮上した。

これは、体にいいからとだけは考えられない。美味しいからである。でも、中に何か秘密がありそうだ。その秘密をさぐるため、世界にんにく学会までが発足したのだった。