『にんにく物語 その1』 畑 正憲

ガロハ~!!

こんにちは。ガーリックのプロフェッショナル、ガリプロです!!

弊社代表光本とかねてより親交のあるムツゴロウさんこと畑正憲先生に、「にんにく物語」と題して、にんにくのコラムを書いていただきました。

これまで世界中を旅してこられた先生のユーモアたっぷりのお話しをブログでもご紹介していきたいと思います。

『にんにく物語 その一』

ニンニクの歴史は古く、人類の文明や文化の発祥と共にあったと、言っても言い過ぎではないと思う。

エジプト。有名なあのツタンカーメンの棺から、ニンニクが出てきたのには、人々は驚いた。

エジプト人には、来世で生まれ変わるという信念があり、その折、不自由しないようにと必要なものを持たせる習慣があった。

棺から出てきたということは、いかにニンニクが必要とされていたかを物語っていた。

そしてヘロドトス。

ギリシャの大歴史家であり、その博識ぶり、追求のすさまじさは、目を見張らざるを得ない。

とてつもない大旅行家でもあった。その彼が、ピラミッド建設の際、タマネギとニンニクを労働者に配ったことを神官から聞いている。

タマネギは、神菜と呼ばれ、ニンニクは、薬菜と呼ばれた。そういう貴重品を供与し、過荷な労働に耐えさせたのである。

つまり両者共に、エジプト時代に、すでに栽培されていたのだ。そしてニンニクもタマネギも、最近の研究によれば、その栽培が始まったのは、中央アジアだと言うことが分かっている。

西はヨーロッパ、エジプト。東は、中国。そして日本。なんと『古事記』『日本書紀』にも、そして、『万葉集』にもその名が出てくる。

古くから、滋養強壮、毒消しに卓効ありと信じられていた。毒蛇に噛まれ、ニンニクを食して助かったという、信じ難い話しまで残されている。

抗菌作用は確かにある。千数百年前には、ニンニクをすりつぶし、傷口に塗るといいと記した医学書もある。

医学が、はっきりした科学の体系を持つ前から、人類はニンニクを育て、その効用を経験として知り、伝承してきたのである。